普段からいろんなことがはかどらないのだが、喫緊の課題は年賀状だ。
もう十月くらいから常に頭の隅に地面に落ちたガムのごとくくっついていて、気にはなっているのだが剝がせない。今月に入ってようやく「色塗り」に着手して、すこし前進したのに、その色が続けて塗る気にならないのだ。前回書いたように、まずはソフトに慣れていないので思うような色が選べていないので気に入らず、それでも年末は迫るのであえて進めてはますます気に入らない色ばかりで埋められていく。
そんな絵がうまくいくわけがない。
高い液晶タブレットまで買って、絵もどんどん描き進むはずが、とんだ誤算だが、これをソフトのせいだといっていてもまったく仕方がない。いままでの色塗りは全部消して、最初からやりなおしたほうが早そうだ。まったく難儀なことである。
この「やりなおす」という行為、これを選ぶ勇気は、もう学生のころからずっと続くテーマのようなものだ。せっかく進んだ絵を捨て、また最初から描く。なんと効率の悪い作業なのだろう。毎日毎日絵ばっかり描いてると、さすがにそれも減るだろうが、年に一枚しか描かない私の場合は、その成長もおぼつかない。
そんなに苦労するなら描くのをよせばいいじゃないか。
私はなぜ年賀状に農民車の絵を描いているのか。毎年毎年、年末になると忙しくなるのはわかっているのに、まだそこに絵を入れる。悩ましいのは当然だ。
しかしやはり年に一枚くらいは色付きの絵を描いておきたい。せめて年末にどうしようもなくなるくらい焦らないよう、九月に入ったらどの農民車でいくか写真を選び始めるのだが、なぜ三か月もかかって色塗りもできないのだろう。本当は描きたくないのか?
毎年、ぐずぐず懊悩しながら節季がくれていく。
こんなことを書いている暇があったら色を塗ればいいのに。