近野駅改掲示板

「淡路島農民車考」http://tkn203s.starfree.jp/専用ブログです。

雨か。

今月は土日の連休がまったくないひと月だった。そのうえ今日は本降りだったので、さすがに農民車の修理作業は休み。おまけに午前中は町内会の寄り合い、午後は図書館へ本を借りにいくのでよけいに時間がないが、このまえにはずしたウマを分解してコーススレッドを回収する。三十本くらいはとれたが、どうしても二本だけ抜けてくれない。

また今度だ。

先週借りた本で、おもしろいのが「海洋堂創世記」という、十年くらい前の本。ちょうどモデルグラフィックスが創刊された1980年代の話で、大阪の郊外に集まった天才モデラ―たちの記録だ。著者はそのなかで同じ作業をし、雑魚寝し、飲み食いしていったのちに離れ、そして他メディアで生きる人物なので、客観性と主観が混じるいい文になっている。

私もかつてのプラモブームのなかで、すこしだけれど作っていた。「ボーメ」という、変な名前はよく覚えているし、ナウシカガレージキットも見覚えがある。ガンシップも作ったなあ。ああ、懐かしいなあ。店に出入りしているといつのまにか働かされて、知らないうちにバイトになり、給料は商品にならないレジンキャスト。バイトのまま主要スタッフにもなる作者、あのころのブラックではない自由放埓な新興産業の雰囲気、好きな者が好きな仕事をし、終わったら仕事場で自分の作品を作り出す。高校のクラブか大学のサークルと違わない経営姿勢。もちろんいまはこんな状態ではないだろうが、こういう始まり方は、もう今の会社ではできないだろう。でもなんて楽しいんだ。しかし楽しいばかりでなく、生業として生き残れた人は、企業・海洋堂を含めて一握りどころか一つまみなんだろう。私もそうだが、そういう場所に残れなかった人には、こういう話はたまらなく愛おしいのだ。

模型雑誌もすっかり買わなくなってしまったが、いまもあるんだろうか。私も一個だけ作れず、箱で置いてある零式観測機がある。いつかは作らないといけない。

しかし当時の海洋堂は、慶野にある北浜産業にそっくりだなあ。