山中や道路脇などに、枯れた木が目立つようになった。
車で走っている最中のことなので詳しく観察できないが、たぶんコナラやクヌギ
などの、ドングリがなる木の葉っぱが茶色くなっているのだ。
なかには、株立ちのなかの一部分が枯れて、ほかは緑の葉が残っているのもある。
七月に入ってから、日ごとに枯れた木が多くなっているような気もする。
これが噂の「ナラ枯れ」というやつだろうか。
特定の虫が食害し、そこから特定の菌が繁殖して樹液を外部に垂れ流してしまう。
水分を維持できなくなって、枯れるのだそうだ。
毎年、夏になると松の木がよく枯れる光景は見慣れるほどだった。淡路島の地松は、
もはや人が丹念に消毒していないと大木にはならないと言われるほど、よく枯れる。
それにしては、幼木はよく生えてくるのだが。その松の枯れ木は、いまのところ
見たことがない。そのかわりなのかどうか、ナラ枯れが広範囲にわたっているのだ。
いや、私の行動範囲が島の中南部に限っているので、北部の方はどうかわからない。
ナラ枯れは、大木によく起きるようだ。もともと薪炭用に植えられたものが多いので、
昔は大きくならないうちに伐採され、新芽が萌芽してまた大きくなって伐採を
繰り返していたから、ナラ枯れは目立たなかった。切られることがなくなり、
大きくなったら食害が増えたのだそうだ。
ウチの薪炭用の木は、コナラもクヌギも健在だ。しかし、家を建ててからのもの
なので、もう四半世紀になるものもある。このごろ、ようやく西日を遮ってくれる
ほど大きくなったが、すでに伐採期にきている。
切らねば切らねば、とここ数年はずっと考えているのだが、農民車のレストアが
進まなかったり、親戚から薪となる木をもらったりで、なかなか切ることができ
ずにいる。だが、枯れる前に切ってやらねば、世代交代もままならない。
持続可能なエネルギー源が、途絶えてしまう。
この冬は切る。ここに誓うぞ。