風呂場からおおきな音がしたが、眠いのでほうっておいた。翌朝に風呂場を覗くと、どうしたことだ、シャンプーとリンスのボトルが棚(といっても浴槽の縁のつづき)から落ちて、リンスのほうのポンプヘッドが折れていた。うーむ、昨夜風呂の水分を拭いた時、端っこに置きすぎたのかなあ。まあ、ヘッドが折れてもまだ使っているが。
その晩も、また夜中におおきな音がした。おかしい、今度はちゃんと置いたはず。しかも今度破損したらリンスそのものがこぼれるかもしれない。これは寝てはいられんと飛び起きて風呂場に入ると、驚いたことに手のひらぐらいの体長があるネズミがいるではないか。
昨夜シャンプーを倒したのはこいつだったのか。いったいどこから入り込んだのだ、と思っていたら、奴は音もなく素早く走って、湿気取りに開けてあったオペラ式窓から逃げ去っていった。なあんだ、そういうことだったのか。いつもは網戸をつけてあるが、半月ほど前に掃除したついでに外してあったのだ。
原因が分かったので、窓を開ける隙間を一センチ以内にした。これで入れないはずだが、それと別のネズミが屋内にまだいるのだ。台所のレンジ台の上に、鍋やすし桶をビニール袋に入れて置いてあったのだが、夜中になるとそこからカサカサカサカサと音がする。明るくなってから取り除けようとすると、ガサっ!と音がして、ビニール袋で巣を作ろうとした跡が……。
こんなところでネズミ算をされちゃあたまらない。しょうがないので、家を建てたをきに自治体からもらった毒餌がまだあったので、適当な入れ物に入れて、家の中、ゴミの仮置き箱、風呂の窓の外側に置いて、様子を見た。
今日で四日くらいだが、家の中のはまだ食べてない。かわりに、鳴門金時の端っこがかじられているのを発見。風呂場の外側の餌は食われていた。
さて、これから家の中でネズミとの戦いが始まった。この寒空に、自分から家の外に出てくれるとは思えない。なんとか食糧だけでも食われないようしなければ。
いざとなれば、ネズミ捕りでも買おうかな。