となりの空地が長年の草刈りの末に地面が腐植化し、ミミズがすむようになったせいか、夜中にイノシシが来て地面を掘り返すようになった、ということは前に書いた。
それは別にいい。地面がぼこぼこなって草刈り機を使いにくくなるだろうが、まあそれはたいした事でもない。とのんきに構えていたら、なんと庭の家庭菜園にまで来て畑をほじくり返してしまったのだ。
菜園には、イチゴと大根の苗が植えてある。あとは、堀り残した芋から出たジャガイモの苗、育てるでもなく育ったニンニクから分けて植えてある粒が、まだ芽を出さずにあるはずだ。去年から不耕起方法で、刈った草やら拾った藁(時々、束で道に落ちている)を雑草抑制も兼ねて畝に被せ続けている。そのせいか、それを食べるミミズが増えているのか、それを狙ってイノシシが庭にまで入ってきたらしい。
おかげで、植えたばかりのイチゴの苗がみんな浮いてしまった。大根はせっかく大きな葉ができてきたのに、これも地面から浮き上がっている。幸い、気づいたのが午前四時半ごろと早かった。私は出勤する二時間前に起きて新聞を取りに勝手口から出るので、玄関のポストまで行くときに菜園の前を通るのだ。すぐさま応急的に根に土を戻して、十分にじょうろで水を撒いておいたので、いまは無事に育っている。
それにしても、ここは住宅街だ。いくら田舎とはいえ、家がいっぱい建ってるところにまで入ってくるとは。どうやって防ごうかと考えたが、とりあえず竹酢液を原液で畝にふりかけておくことにした。使用法は犬猫除けには二倍希釈と書いてあるが、相手は腹を減らしたイノシシだ。少々のニオイでは効かないかもしれない。それに加えて、用がなくなって保管しておいたセンサーライトを思い出し、夜間点滅にして、ちかくの柱に取り付けた。
この対処があたったのか、いまのところ被害はない。このままあきらめてくれるといいが。
親戚の空き家に草刈りに行った。
その庭は、我が家の敷地全体くらいある。珍しく三男たれ太が草刈りを手伝ってくれて、一時間で終了。まるで夏のような陽気だったが、問題発生。これも前に書いたが、二台ある草刈り機の一台が動かなくなって、燃料キャップが割れていたのが原因とみてネットで購入したのだが、それでも動かないのだ。どうも燃料プライマーが燃料を吸っていないようで、それはキャップが割れているせいかと思っていたのだが、どうもプライマーそのものが割れていたかららしい。燃料がキャブまでいくとプライマーが重く感じるのだが、いつまで押しても重くならない。老眼でないたれ太に見てもらうと、シリコン製のプライマーはクモの巣のようなヒビが入っているらしい。道理で吸わないわけだ。
草刈りは、空き家にある予備機でやり終えたのでいいが、問題のプライマーは交換しなければならない。そういえば、以前に先端のギヤが分解してしまった安物の草刈り機を、部品取り用に置いてあったのを思い出した。あれから取ってみようと思いついた時、大失敗にも気がついた。割れた燃料キャップをその部品取り機から取ればよかったのだ。ああ、いらん金を使ってしまった。部品取りはロビンのコピーらしく、キャップは同じ。惜しいことをしたが、それどころか、エンジンまでほぼ同じで、プライマーも同じだ。キャップの仇をとるべくプライマーを分解して、割れたプライマーと取り換えて、さあ燃料を吸うかと試しに指で押してみると、ものの見事に裂けてしまった…。
考えてみると、部品取り機はもう十五年は保管してある。まったく触っていないシリコン部品が、劣化していて当然だ。しょうがないので、二個六白円くらいの互換品をネットで購入。やれやれだ。
浄化槽もついでに自家点検。家族の人数が五人から三人になったせいか、かなりきれいに浄化されている。きれいになった汚水が出る手前に、消毒剤を入れる筒があるが、そこに入れる「日曹ハイクロン200」というでかい錠剤は、これも十年以上前に箱買いしたのを倉庫に保管していた。しかしその消毒剤はものすごく錆を呼ぶらしく、アルミの電動カンナまで真っ白に腐植するようになった。室内配線の銅線まで錆びてはたまらないので、あわてて外の屋根下に置いたが、段ボールはボロボロになり、包装のビニールまでバリバリに砕け、しまいには錠剤そのものもドロドロにゲル状化している。一般家庭で使用するには多すぎたのだ。
仕方ない、これも発注しなければならない。今度はもっと小粒の、量の少ないものにしよう。そんなこんなで休日は過ぎていくのだ。